建築主さんからのお題は「無垢の木・しっくい・吹き抜け・薪ストーブ」の四要素。冬の月が新月になる頃に、みんなで天竜の山の中に入って柱と梁にする木を伐ってきました。しっくいの下地には木づりの上に砂漆喰、半田土で中塗り、仕上げのしっくいと時間と手間をじっくりかけてます。
木を伐りに入った天竜のあの山の雰囲気を部屋に少しは残しておきたい、そういう思いで伐り出した木の使い場所を決めていきました。一番玉はここの柱に、二番玉はその上に、これはタイコにしてあそこの梁に、とね。
吹き抜けの部屋は天竜の山の中のようにと考えたなら、二階はその山の中にある木の上の枝にいるような感じかな。下地からしっかり塗り上げたしっくいの壁のおかげで夏の蒸し暑さがかなり緩和された、この家では今もエアコンは設置せずに夏を過ごされています。蒸し暑さを山の中にいるような感じで凌ぐことができれば最高です。
写真撮影:田伏博